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院長 山本

猫ブーム


今、巷では「猫ブーム」と呼ばれているようです。近年、飼育頭数はワンちゃんが減少傾向で、ネコちゃんが増加傾向のようですから、確かにブームと呼べるのかもしれません。

 昨日、フジテレビのMr.サンデーという番組内で「空前の猫ブーム」が取り上げられたようです。

 その中で・・・

 「若い猫はエサ代、病院代など殆どかからない」  「しつけが楽」  「手軽に飼える」

 など、ワンちゃんと比較して手のかからない動物で、誰でも簡単に飼育できるような表現で紹介されていたようです。確かに、ネコちゃんは散歩は必要ないですし、しつけもワンちゃんと比較すれば簡単なことが多いです。しかし・・・

 若い猫では泌尿器疾患が多く、食事療法が必要となるケースは決して少なくありません。  健康を守るためには定期的なワクチン接種は必要ですし、寄生虫疾患の予防も重要です。  女の子は年頃になれば発情兆候がみられ騒ぐようになり、男の子はマーキングをするようになりますから、不妊手術が必要になります。  爪とぎは猫ちゃんの習性です。家具や柱、カーテン等で爪とぎをしてしまい困り悩むケースもあります。

 メディアで安易に動物ブームを取り上げられることで懸念されることが、安易な繁殖、安易な飼育・遺棄、そして殺処分の増加です。  生き物を家族に迎えるということは、その子の一生に責任を持つということです。その覚悟がなければ、動物を飼育するべきではありませんし、ときには飼育しない愛情も必要ではないでしょうか。

 猫はとても美しく人の心を癒してくれる素敵な動物であり、今まで一緒に生活したことがない方には、ぜひネコちゃんとの生活を経験していただきたいと思います。私も猫がいない生活は考えられません(笑)。しかし、決して、すべてのネコちゃんがテレビで紹介されたように簡単に飼育できるとは限らないということはご理解いただきたいと思います。

 メディアも影響力の大きさを自覚し、節度ある適切な報道を心がけていただきたいものです。

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