先日、深谷にて開催された埼玉県獣医師会主催の学術セミナーに参加しました。講師は日本大学で動物の呼吸器疾患を研究されている山谷吉樹先生で、テーマは「小動物の呼吸器疾患」でした。
「気管支鏡検査」というものをご存知ですか?
細長いスコープを口や鼻から入れ、鼻の内側・喉・気管支を観察することができる検査ですが、気管支鏡検査は、こんな時に実施が検討されます。
・ 気道内の異物・塊病変が疑われる
・ レントゲン検査・胸部CT検査で肺に異常陰影がある
・ 呼吸器疾患による咳が2ヶ月以上続いている
・ 血の混ざる咳(喀血・血痰)をする
・ 呼吸音に異常がある
しかしながら、この検査には難しい点もあります。
まず、実施には全身麻酔が必要です。また珍しい検査器を使用するため、専門病院や大学病院でないと実施できません。もっとも難しいのは、咳や呼吸異常があっても気管支鏡検査が必要ないこともあるという点です。
1次病院のホームドクターにて、全身麻酔や専門病院への移動の負担を考慮しても、気管支鏡検査が適応なのかどうか、しっかり吟味する必要のある検査なのです。
今回の講義では、気管支鏡検査による症例を多数紹介していただきました。
気管支鏡検査の適応に関して、適切に判断できるよう今回のセミナーで学んだことを活かしていきたいと思います。