セミナーに参加しました
- 獣医師 川口
- 2016年5月24日
- 読了時間: 2分

朝霞市のあさか台動物病院にて開催された、臨床病理学セミナーに参加いたしました。講師の小笠原聖悟先生は臨床病理学のスペシャリストです。コーネル大学にて米国獣医臨床病理学レジデントプログラムを終了され、現在は小動物臨床検査センターのIDEXXにて、臨床病理医として活躍されています。
「なぜ病気が発生したのか、患者さんの体にどのような変化がでているのか」を考察する学問が「病理学」であり、病院での検査(臨床検査)を活用する病理学が「臨床病理学」です。主に血液検査、糞便検査、尿検査、針吸引生検などが利用されます。
今回のセミナーテーマは、「尿検査」でした。
この尿検査、みなさまはどんな印象をお持ちですか?
「たかだか、 おしっこをチェックするだけでしょ?」
「たいした意味はないんじゃない?」
なんて思われる方に、ぜひぜひお伝えしたいことがあります。実は、尿からはとってもたくさんのことが検出できるのです!!
まず、尿路の異常を調べることができます。
尿に血液がまざっているのか?
尿路の炎症はあるか?
尿のなかに細菌はいないか?
尿路結石につながる、こまかい結晶はいないか?
腎臓の機能低下は疑われないか?
(しっかり濃いおしっこが作れているか?)
腫瘍を疑う細胞はいないか?
そして、尿路以外の疾患の発見にも役立ちます。
糖尿病は疑われないか?
ケトンの出現はないか?(糖尿病の悪化、高熱、飢餓は疑われないか?)
黄疸が疑われないか(猫でビリルビンが尿にでていないか?)
どうですか?おしっこを観察するだけで、こんなにたくさんのことがわかります。特に腎臓疾患を早期に発見することに貢献しますので、愛犬・愛猫が7歳以上のシニア期に入られましたら、ぜひ一度、尿検査を実施されることをおすすめいたします!(尿検査とともに、血液検査・エコー検査併用することでより詳細な検査が可能となり、早期に疾患を発見できる可能性が高まります。詳しくは当院スタッフまでお気軽にご相談ください)
今回のセミナーでは、この尿検査について詳細にご講演いただきました。明日以降の検査に役立て、皆様へ還元できるよう努めてまいりたいと思います。