上野で開催された学術セミナーに参加いたしました。整形外科ガイドラインシリーズ、今回のテーマは「骨折治療」です。
全国の動物病院のうち、骨折治療にしっかり対応してくれるのは全体の5%程度だと言われています。
「え?そんなに少ないの」と、思われますよね。
実は、犬や猫の骨折治療はなかなか一筋縄ではいかないのです。骨の折れた部位、折れ方、そして動物の性格(おとなしい子かやんちゃな子か)などによって、行う手術内容や使用する手術器具がまったく異なってきます。
それらに完全に対応しようとすると莫大な数の骨折治療器具が必要になるため、「骨折の治療は、専門病院へご紹介します」という方針をとる動物病院が多いのです。
今回のセミナーではその多数ある骨折治療法のうち、外固定法、ピンニング、ワイヤリング、創外固定法、古典的プレーティング法、ロッキングプレート法について、詳細に学ばせていただきました。明日以降の診療に役立てていきたいと思います。
なお、当院での骨折治療に関しましては、整形外科の専門医にアドバイスをいただきながら対応しております。
写真は当院で導入しております、自由角スクリューシステム、MATRIXです。Locking Plateといわれるこのプレートは、従来の骨折治療に用いられていた古典的プレートよりも装着部の血行阻害は生じにくく、安定性はさらに向上している優れものです。
このプレート法以外にも、ピンニング、ワイヤリング、創外固定など複数の方法にて様々な骨折への対応が可能です。また、専門性が高い手術が必要と判断された場合には専門病院をご紹介しますので、どうぞご安心ください。